引き続き、Chess 1000 円リイシュー・シリーズから、Phil Upchurch のアルバムを。
彼は 1941 年 Chicago 生まれのギタリストで、R&B と Jazz を行ったり来たりするような活動ぶりだったらしい。
ソロ活動としては、'61 年に Phil Upchurch Combo 名義でリリースした "You Can't Sit Down" が 100 万枚以上売れるヒットとなったとのこと。
実は、↓ の Rotary Connection の記事に書き損ねたのだが、Rotary Connection の制作に Marshall Chess と共に関わっていたのが Charles Stepney で、彼はその後 Maurice White と組んで、EW&F の諸作品を Co-Prod. するに至ったらしい。
で、Rotary Connection のレコーディングに集められたセッション・ミュージシャンの中に、Phil Upchurch も参加していた模様。
その Charles Stepney の Prod. で '69 年にリリースされたのが、セルフ・タイトルドの今作。
こちらもカヴァー曲中心の構成で、サイモン&ガーファンクルの "America"、ジミヘンの "Cross Town Traffic"、"Voodoo Chile"、BS&T の "Spinning Wheel" などが取り上げられている。
制作陣も同じ、リリース年も同じ、構成も同じ、ということで、↓ の「Songs」と裏表の関係と言えましょう。
どっちが表かはわかりませんが。
と言いつつも、こちらは 20 名のストリングスをバックに配していたりして、↓ の「Songs」ほどストレートじゃあなく、ちょっとひねったサイケという印象。
デザインは、ストレートにサイケだけどね。
あ、そう言えば、今作では Donny Hathaway が Key を担当しておりまして、まあ、Chicago コネクションと申しましょうか、この後、Upchurch が「Live」の他、Hathaway の諸作に参加することになるわけです。
★★★★
そして、翌 '70 年に、同じく Charles Stepney Prod. でリリースされたのがこちら。
↑ と同じく、こちらにも Donny Hathaway が参加している模様。
こちらは、ジャケ写からして、↑ より数段くつろいだイメージですねえ。
内容的にも、サイケ風味を残しつつも、ポップなコーラス付きのトラックがあったり、バカラック風があったり、かなり振れ幅が大きくなっているかなあ。
何より、オリジナルがメインになっているところが違うし。
ところで、昨日登場した Chess の息子 Marshall ですが、後に Rolling Stones Records の初代社長になったらしいです。
知らなかったなあ。
★★★☆
--------------------
Chess Best Collection 1000 の過去レヴューは ↓
Songs / Rotary ConnectionThe Black Caucus Concert - The First Annual Benefit For The Congressional Black Caucus